ガヤトリーマントラ

太陽神サヴィトリーに捧げるガヤトリー・マントラは、マントラ・ヨーガのひとつで、インドの聖典の中でも最も普遍的で、最高のものであるとされていて、朝、三回唱えるとその日に起こるはずのカルマを解消し、夜に唱えるとその日に作ったカルマの解消になると言われている。


今から思うと意識の低さに恥ずかしさを噛み締めずにはいられないのだけど、数多の聖者や賢者が賛辞の言葉を残しているこの偉大なマントラをかつて私は入手し、無知ゆえに、ろくに聴きもしないで 手放してしまったことがある。

高校時代、カナダに近い北米の寮制学校に数年間留学していた。中学三年生から高校三年生(9th - 12th grade)の全校生徒が100名未満という、こじんまりとした私立高校。日本人の数は少なく、生活するために、英語の習得は必須だった。当時私は、全く英語が話せない上に、ガリ勉が嫌いだった。何とか楽しみながら覚える方法はないかと、ヒップなリズムを持つ、JAZZを通して英語を学ぼうとした。そして少しずつ、JAZZやブルース、ヒップホップやR&BのCDを買い足していった。


wamy Chants Universal Maha Mantra − アフロの男性がジャケ写(CDの表写真)の中央で両手を広げて笑ってた。

スワミーって誰だろ? 聞いたこともない歌手。トレーシーチャップマンの類のブラックフォーク(黒人歌手のフォークソング)なのかな?ブルースにしては悲哀に欠け、笑顔に満ち過ぎている…。買おうか迷った挙句、他のCDの半額もしない値段に惹かれて、購入した。さっそく寮に戻って聞いてみると、なんと、楽曲ではなく、よくわからない言葉が繰返し録音されているだけだった…。 アルバム解説はない。 何これ… ? 数年後、NYのダウンタウンにある中古ショップに売り払うまで、再びそのCDに手を伸ばすことはなかった。


このマントラには、すべての男女が唱えることができるという説があると同時に、神の祝福がなければ、どれだけ望んでも手にすることはできない、という一説もある。


帰国後、スピリチャルに興味を持ち始めた私は、人間の肉体をまとった神と云われているサイババが唱えるガヤトリーマントラが欲しくって、インターネットでサイセンターの所在地を調べ、真夏の午後、道に迷いながら中目黒にある東京センターに足を運んだ。サイセンターでは、日本で録音しているバジャンCDと、インドのアシュラムで販売している輸入盤の両方を入手することができる。


サイババ が唱えるガヤトリーマントラのCDはありますか?
はい、どうぞ…。手渡されたCDを見て、愕然とした。
それは10代に、数ドルが欲しくってNYの中古ショップに売り払ったものと同じジャケ写だった。


あの頃、もう一度CDを聞きなおしてこのマントラと共に歩んでいたなら、どれだけ人生が変わっていただろう…。いくら神様が祝福や恩寵を授けようとされたとしても、こちらがそれを受け取るに値しなければ、もしくは受け取る意志や興味を持ち合わせていなければ、その恩寵は空に消え、素通りして去っていくんだ…。
世俗的な生活に没頭し、喜怒哀楽に翻弄されて作った数多の罪…(冷汗)。10年間の記憶が一瞬のうちに脳裏を駆け巡り、目の前が真っ暗になった…気がした。もう二度と、このマントラを手放すことはないだろう…。心の中で私は誓った。


最近、午後ダルシャンの後、アシュラム内に祀ってあるガヤトリー女神に捧げる儀礼、ガヤトリープージャに参列するのが日課になっている。ヴェーダを唱えながら、花を浸した水で偶像を沐浴後、ギーを額に塗り、ガヤトリー女神を着飾る生花を取り換え、装飾品の位置を着け直し、クムクムを額にのせて火を奉納し、最後に鏡をかざしてガヤトリー女神に仕上がりをお見せする。


前回の渡印で、妹とこのプージャに参列した時、感心しながらこう言った。彼女は、エネルギーが見える体質。

いやー、やっぱすごいなー。
え? 何が?
ガヤトリー女神の像に装飾品を付けて、花を添えて飾っていく毎に、ブォーッって、ものすごい波動が上がっていってるわ。やっぱり女神は美しくすると喜ばれるんやなぁ…。
へー。すごいね。…プージャの締めくくりに、ガヤトリー女神の5つのお顔、それぞれに鏡をお見せする儀式になると、尋常じゃないぐらいのエネルギーがほとばしっている…らしい。
私はそこまで明確にエネルギーが見えるほうではないので、へー…っと感心するばかり。ただ、全く違うシチュエーションで、驚いたことがある。


ある朝、ダルシャン会場に行く前にガヤトリー女神像を礼拝し、「御美しい女神様、どうか今日一日、私たちと、私たちの愛するスワミをお護りください」と祈りを捧げると、天に届くほど巨大な意識が、ググッとこちらのハートの方に向き返った。
「えっ…」 面喰いながら心の中で呟いた。  「女神様・・・、本当にお見えだったんですね…。」
その日から私はより一層、心をこめて祈りを捧げるようになり、自分自身、少しは美しくあるよう心がけるようになった。神は万物に内在する…。単純なようだけど、女神が喜ばれるように美しくすれば、女性の肉体に内在している神も喜ばれるような気がする。


★★ガヤトリーマントラ★★



Om
オーム  至高の神よ
 
Bhur Bhuvah Suvaha
ブール ブヴァ スヴァハ 地、空、天界
  
Tat Savitur Vareniyam
タッ(ト) サヴィトゥール ヴァレーンニャム  私たちの聖なる母よ、その輝きは、私たちの心にある暗闇を滅します。
 
Bhargo Devasya Dheemahi
バルゴー デーヴァッスャ ディーマヒ 私たちは、その聖なる輝きに瞑想します。  

Dhiyo Yo Nah Prachodayath
ディヨー ヨー ナッ  プラチョーダヤー(ト) 私たちの内なる知性を目覚めさせたまえ。



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☆ ガヤトリーマントラに関する記事の内部リンクを貼っておきます ☆
1.ガヤトリーマントラ (この記事です)   
2.ガーヤトリーマントラ (その1)
3.ガーヤトリーマントラ (その2)
4.サイ・スリー・ガヤトリー 

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