お猿さん

朝起きて、なんかガサガサしているなと思ってキッチンの方にいくと猿の家族がガスレンジ周りを荒らしてた。昨日壊れた小窓を押し破って入ってきたんだ。

…！

音をたてて猿を追い払う。しばらくすると赤ちゃんザルが戻ってきて私がいなくなったか様子を伺っている。猿との根競べ。人間とサルのＤＮＡは２パーセントほどしか違わないという。

キッチン台に汚れが付着し、動物臭さが残ってる・・・、不潔だ。天窓の前にオモシを置いたり、猿があきらめるまで張り付いたり…と工夫している最中に、ガス台の受け皿が壊れる。「スワミーっ！」心の中で、泣きが入る。　そうだ、窓に向けてインセンスを焚こう。そうすれば、人の気配を察して入ってこようとしないかもしれない。

怖かった。 朝早かったけど、早速ビルのオーナーに電話して窓が外れないように釘を打ってもらうようにお願いした。それも、今日中に。

その後、猿の生態を調べるためにベランダを見た。
猿は賢いから、建物の樋をつたい、少しでも隙があれば人家に侵入しようとする。窓が閉まっていてもカギがかかっていなければそーっと押し開けて入って来る。インドに来る前、猿は可愛いものだと思っていた。今では随分、印象が変わった。

ステンレスの食器から水を飲んだり、人が寝るシーツにくるまって遊んだり、屋上に設置されている給水タンクの蓋を開けて水浴びしたり、やりたい放題である。
　

・・・、ほんと、筆舌に尽くし難い。親しい家族や友人によると、私は絶対、生粋のインド人とは結婚しない、らしい。なんでも、性格的にも生理的にも、根本的に合わないから…という理由らしい。ふーん…そんなこと、ないと思うけどな…と思ってはみるものの、
つい最近まで、カレーは好きだけど、手が汚れて不潔という理由でインドの食文化に抵抗を感じていたぐらいだ。何気にその感覚は、ごく普通の日本人と変わらない…と思っていたけど、案外私は、環境順応力が低い方なのかもしれない。

なんか、あるがままを受け入れるという資質を培うべく、荒療治を施されている感じ。
神様・・・、どうかどうか、もう少し、お手柔らかにお願い致します・・・。

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