帰路

サイババが5月4日にパルティに発つという噂を聞いて、朝のダルシャン中、帰りの足をどうしよう?と考えていた。行きのメンバーが、バスに予定を変更した。私はギュウギュウ詰めのタクシーを経験したあと、より劣悪なコンディションであろうバスで帰る気持ちにはなれなかった。飛行機で帰りたいけど、一人だと道中のタクシー代が高くつくから、とうてい無理。車で帰る場合は新たにメンバーを探さなないと・・・と色々と思案していた。
ま、なるようになるか。
いつも通り、一人で食事をしていたら、相席した女性が、パルティまではどうやって帰るの?と聞いてきた。なんてタイムリーな質問。
まだ決まっていないと告げると、飛行機で行くというから、もしチケットが取れた場合は道中の車をご一緒にさせてもらうことになった。まったく、祈りもしていないのに、どうしてこんなに絶妙なタイミングで必要な人と出会うんだろう。。。心の中で、神様の御加護に感謝した。

相席した女性は、パルティに住んで12年目になるというスペイン人。印象では、20代後半だけど、今年40歳になるらしい。見えない。すごく、シャンティな感じの人。

スワミの側にいると、心の平安が身体の外まで漂っている人に出会うことがある。そういう人に会うと、どこかホッとした安堵を感じる。
滞在期間を奉仕に注ぐべく、ラジオサイのインタビューをディクテーションで文字越しして口語を文語に編集し、それをスペイン語に翻訳して本国に送っているという。その夜は一緒にディナーをし、2時間近く、パルティのことや奉仕のこと、そして本国での経験を聞いた。

私は、帰国子女ということもあって、目が会って笑顔を交わしたら既に知り合い、ぐらいの勢いで初対面の人とうちとけるのが早い。話す前に相手を値踏みしたり警戒したりしないので、ある意味、軽い。
その反面、ここはインド・・・しかも、霊性修行のメッカ(パルティですけど)に暮らしているから、面識のない男性とは失礼にあたらないぐらいの配慮をもって、極力目を合わせないように努めている。スワミが、視線のコントロールをしなさい、と説いているからだ。それに、多少の経験から、目から相手のエネルギーが入ってきたりすることや、恋はするものではなく、落ちるものだということは心得ている。面倒くさいことになったら、せっかくの滞在期間が台無し。。。BUT現実的にはシングルミドルサーティーで、幼く見える日本人。インド人から見たら20代前半にしか見えないらしい・・・失礼にあたらず媚びないよう、人間的価値(真実・正義・平安・愛・非暴力)を保ちながら、それを行動に移すというのは結構、自己内省と熟練の技が必要だと思う。

もとい。


翌朝4:30に、イラン人、スペイン人、英国系アフリカ人を乗せたタクシーと合流し、コインバートル空港まで向かった。10:45分の飛行機。幹線道路が一本しかないから、渋滞があっても到着するように・・・と早めに出発した。

イラン人の女性のお兄さんは、海外赴任(エキスパット)として日本で働いていたことがあって、日本のことを良く知っていた。話を聞いていくと、状況が状況だけに、世界中に親戚がバラバラになっているらしく、彼女はアメリカにいて、お兄さんはイタリアにいる。イランに残っている家族もいて、長年会っていないそう。イランの人たちは家族のつながりが強く、男性でも女性でも親しくなると、キスをしたりスキンシップをしてたっぷりと愛情を表現する。そんな人たちが肉体的に離れ離れになってしまうのは、とても辛いことなんだろうと思った。

そして、英国系南アフリカ人。お母さんがコメディアンで、アシュラムでも何度か顔を見かけたことがある。一家で移住してきたらしい。

こういった生まれ育った境遇が全く違う人たちと旅をすると、相手を通してまったく違う世界を垣間見られるような気がして、視野が広がる気がする。一般的なイラン人の家庭の話や、白人が経験するヨハネスバーグの事情なんて、ニュースでは聞けない。。。彼らが持つサイババ観は、私が見聞きしていたものと違っていたので、興味深かった。

キングフィッシャー・エアラインズの小型ジェット機のような飛行機で、バンガロールに向かい、昼前には到着。軽食のサンドイッチを菜食にしてください、と頼むと、すべてベジタリアン対応の食事です、という返事が返ってきた。しかし・・・ビール会社が親会社ということだけあって、客室乗務員のミニスカートには少し閉口。インドで飛行機を利用できる階層は学歴も職歴もある程度のレベル以上の、男性ビジネスマン。サリーで身を覆い被す装いを正装としている社会で、あえてミニスカートをはかすなんて、間違った解釈で西洋化を目指しているんじゃないかしら、と余計なことを考えてしまった。同じ女性性を強調する制服でも、シンガポール航空の方が目に優しく心地よい気がする・・・っと、
もとい。
12時前にはバンガロールに到着し、そのままタクシーでパルティに向かう。到着後はすぐにダルシャンラインに並んでスワミの顔を拝んだ。

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