アクシャヤ・トリティヤ


5月16日(日本では今日の17日)は、一年の中で新しいことを始めたり、価値あるものを購入し、身につけ始めるのに最も良い日、と言われているアクシャヤ・トリティヤAkshaya Tritiya)。

天体的に太陽と月が同時に高揚することから、この日に始めた新しいことや入手したものを通して、不朽の成功や富、そして幸せがもたらされる・・・と、ヒンドゥー教徒の間で信じられている。



















と、同時にこの日はビシュヌ神の第六の化身(アヴァターラ)、パラシュラーマ(Parashurama)が地球に降臨した日としても知られていて、パラシュラーマゆかりの地(アラビア海に面したコンカン海岸)ではパラシュラーマ・ジャヤンティ(パラシュラーマ降誕祭)として祝われている。


それにしても、価値あるものを購入するのに最も良い日、ということでチェンナイの街は熱かった。

金曜日の朝刊から新聞広告にはアクシャヤ・トリティヤの特集が組まれ、この日の由来、その意義、バーゲンセールにお買い得な商品特集が所狭しと欄枠を埋めていた。

もともと、価値あるものといえば“金”を指すインド。
金貨や金塊、金のジュエリーの購入が良いとされるものの、金の価格が高騰しているこの昨今。
“価値あるもの”として掲載されているのは、TV、冷蔵庫やエアコン等の家電、車、マンションなど、商品のジャンルは多岐に渡る。 面白いのが、「2万ルピー以上購入の方に、もれなく金貨一枚プレゼント」のような広告が多いこと。ドルが暴落した直後にインド政府が世界中の金を買い占めた、というニュースがあったけど、インド人は本当に、ゴールドが大好きである。

そしてこの日にスタートしたものは「永続する幸せをもたらす」ということで、結婚式にも吉日、と言われているけれど、この炎天下(40度強・エアコン無し)の中で結婚を選ぶカップルはすごい、と思う。(それでも、通りすがりの寺院では結婚式が行われていた。)


そこで、私たちが購入したのは、前から必要だと薄々感じていた、ゴールドのバングルと、シルバーのグラス。
インドの既婚女性は、金のバングルを着用するのが定番。。。と言われつつ、なかなか思うようなデザインに出会わずに、金メッキやガラス製のバングルをしていた私。そういえば、ガーヤトリープージャで仲良くなったインド人のアンティ達はみーんな、シンプルな装いで細い金のバングルを腕に巻いていた。ゴールドのバングルがあれば、何本もジャラジャラと繋げずとも一本でサマになるらしい。装飾品をジャラジャラ付ける習慣がない日本人にはこっちの方が断然、格別に、楽です。

シルバー(純銀)のグラスは、夜、祭壇に水をお捧げして、朝になるとそのお下がりを頂くため。
金や銀を摂取することは体にいいと言われていて、一定時間以上、金・銀の容器に水を放置しておくと、グラスの成分が溶出して体に良い水に変わる・・・ということです。(ちなみに、金は体を温める効果があり、銀は冷やす効果があると言われていて、精神的にカッとなりやすい人は、金より銀を身に付けるほうが良いそうな・・・。)

それにしても、この週末のジュエリーショップはどこも、歳末大セールのような混雑振り。
閉店時間の9時になっても賑わいは収まらず、10時過ぎにやっと客足が減る・・・という具合。インドではジュエリーショップが賑わう時期が二度訪れるらしく、一回目はこの、アクシャヤ・トリティヤ。二回目は、富と美を司るラクシュミー女神に装飾品を捧げる、ディーパヴァリーの期間。この時期には、世の男性が家庭のラクシュミー女神にジュエリーを買って帰るそうです。



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