南インド、ケーララ州最大のお祭り


今日は、人々から愛された偉大なる羅刹の皇帝、マハーバリが年に一度、ケーララ州の人民の幸福と繁栄を見に戻ってくるというオーナム祭Onam Festival) の最終日。


マラヤーラム語 を話すケーララ州出身の人々は、愛すべき皇帝を迎え入れるべく玄関先に色花でできた美しい花絨毯、プーカラムを描いてこの期間を祝います。


Atham と呼ばれる初日から、最終日である Thiruvonam までの10日間にわたって盛大に祝われるこのお祭り・・・。

オナサッディヤというご馳走を食し、蛇ボートのレース、象の行進、オーナムにちなんだ伝統的なゲーム(オナカリカル)に、カイコティカリという女性による民族舞踊、そして有名なケララ州の舞踊劇、カタカリなど、イベントは盛りだくさんです。



ところで、羅刹(悪魔)の皇帝が人々に親しまれていたというのは善悪混在する インド神話 ならではのお話・・・。


ヴィシュヌ神の第五番目の化身、ヴァーマナによって解脱を授かった皇帝バリの人格についてサイ・ババは、1996年8月27日の講話のなかで次のように語っています。


『神がヴァーマナの姿をとって皇帝バリの執り行う犠牲の儀式(ヤーガ)に現れたとき、バリはヴァーマナをうやうやしく迎え、何が欲しいかを尋ねました。
ヴァーマナは「私の足で測って三歩分の土地をください」と答えました。
バリは「なぜわざわざここまで来て、わずか三歩分の土地しかお望みにならないのですか?」と尋ねました。
ヴァーマナはきっぱりと「私が望むのはそれだけです」と言いました。


バリの師であるシュクラーチャールヤは、受け取る相手が普通の人間ではないことから、その捧げものをするのを思いとどまるようにと忠告しました。
しかし、バリは約束を撤回することほど重い罪はないと強く言い切って、約束を守りました。


皇帝バリは、約束の言葉を守る偉大な人を代表する人物です。


ケーララ州の人たちが今日に至るまでバリを崇拝し、バリを記念してオーナムの祭りを祝うのは、このような理由からです。今、崇められているものは何でしょう? それは真理という美徳です。 真理に欠いていれば何にも価値はありません。


愛は至高の価値です。貴重なのは、世俗的な愛ではなく、神の愛です。神の愛は、友人や他者に対する執着のあらゆる形を包含しています。 神との不朽の友情を培いなさい。


皇帝バリには、自分自身を含めたすべてを神に捧げる覚悟がありました。それがバリのすばらしいところです。バリは単なる三歩分の土地という贈り物ではなく、自分自身を神に捧げたのです。これが、バリが神に全託した精神です。』



オーナム祭の由来と、お祭りに秘められた内的意味は、こちらにて・・・

プッタパルティでは、ケーララ州から訪れた参拝者によって劇が上演されたそうです。



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