ある一枚のバジャンCD
つい数年前までは、アシュラム内で取り扱っているバジャンCDといえば、プラシャーンティマンディールバジャンか、スンダラムバジャンが主流でした。
しかし最近は、マンディールで歌うバジャンシンガーや、プロのミュージシャンがレコーディングした高音質のCDが増えているので感激モノです。
主なラインアップは、
バヴァンジャリ(Bhavanjali)シリーズと、ナーダ・ブラフマン(Nada Brahmam)シリーズ。
全てのCDを揃えていますが、以前から、特に魅かれて何度も繰り返し聴き続けているのが、
バヴァンジャリ(Bhavanjali)シリーズの第一作目です。
ベイビーが生まれて病院から自宅に戻った時、少しでも神聖な雰囲気を・・・と、授乳時には、絶えずこのバジャンCDを流していました。
授乳の際分泌されるホルモンには気分を落ち着かせる効果があると言われていますが、このCDを聴いて授乳をすると、何とも言えない、天界にいるような心地良い感覚に浸ったのを覚えています。
その後、Vol.1が素晴らしかったので、インドに戻った時に、急いで残りのシリーズを全て購入したのは、言うまでもありません。
Vol.4は、ハリハラン(Hariharan)、スミート・タポー(Sumeet Tappoo)、そして2008年に開催された人類の幸福と世界平和のための大護摩供犠「サハッスラ プールナ チャンドラ ダルシャナ シャーンティ マホーッツァヴァムに楽曲提供をしたシャンカラ・マハデーヴァン(Shankar Mahadevan)といったプロのミュージシャンが参加する豪華メンバーのCD。
それでも・・・どうしてもやっぱり群を抜いて魅かれるのは、シリーズの第一作目。
どのCDも、楽曲から音の質感まで全て素晴らしいのですが、Vol.1は、何とも言えないスペシャル感や神聖さの度合いが、格段に違うように思えてなりませんでした。
で、結局いつも繰り返し聴くのは、Vol.1・・・。
これは一体何かしら? 不思議だなぁ・・・と思っていたのですが、今月初旬の、パルティヤットラ(プッタパルティへの巡礼)で、ラジオサイのツアーに参加した時に、その謎は解けました。
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バヴァンジャリ・シリーズは、スワミの学生によってレコーディングされたCD。
シンガーだけでなく、サウンド・エンジニア等の技術者も、サイの学生でした。
第一作目のレコーディングが終わって、全員でCDを聴き、翌日には、サイババに出来上がったCDを捧げる予定でした。
しかし、CDを聴いたメンバーは、その音質の悪さに愕然としました。
サティヤサイ大学には、サウンド・エンジニアを育成する学部はありません。全く違うジャンルの学位を取得した卒業生が、まさに手探りで、レコーディングに携わっていたのです。
サイの学生の強みは、常に神と共にあることです。
多くの求道者は、その境地に至るために、幾世をも費やします。
常に神といる感覚を掴んだ者は、もはや、現実を否定し、ここからどこか別の場所や環境に移動して、解脱を追い求める必要はありません。
すでに、神と共にあるのですから・・・。
(これは、サイの学生と接して感じた余談です...)
さて、スワミにCDを捧げる予定を明日に控えたサイの学生たちは、 「音の出来栄えが、どこかおかしい」と聴いて判ってはいたものの、「どうすれば直るか」を知る技術は、持ち合わせていませんでした。
そして結局、「精一杯頑張ったのだから」と、為すすべも無く解散しました。
その夜のことです。
音響の調整と録音を担当したサウンド・エンジニアの夢に、サイババが現れました。
「音が悪いのは、○○と○○を調整すれば直ります。」
驚いた彼は、深夜にも関わらず、ラジオサイのレコーディングスタジオに行き、サイババの指示通り、音を調整しました。
しかし、あまりにも色々と指示があった為、最後のアドバイスの内容を、忘れてしまいました。
音を聞き直すと、かなり完璧に近く、仕上がりも、格段に良くなっていました。
思い出せないし、これで、充分、大丈夫!と思った彼は、部屋に戻り、眠りに着きました。
そうすると、またもやサイババが、夢に出てこられたのです。
「せっかく私がアドバイスをしたのに、君は、○○をするのを忘れているじゃないか!一体どういうことなのかね!」
驚いた彼は、もう寝てなんていられません。
今度は起きて直ぐ、サイババが下したアドバイスをメモに書き、もう一度、レコーディングスタジオに戻りました。
そして、仕上がりは、最高でした。
なにしろ、神が直々に、伝授されたのですから・・・。
そうして翌朝、レコーディングに携わったサイの学生は、サイババにCDを奉納する為に、ご邸宅のヤジュルマンディールを訪れました。
サイのおかげで、最高の出来具合になったCDをお聞きいただこうとした面々に、サイババはこう告げました。
「私はいつでもCDを聴けるのですから、今日はみんなと話をしましょう!」
バヴァンジャリCDの奉納の機会は、突如、プライベートインタビューの場へと変わりました。
そして、信愛をこめて神にバジャンを捧げたメンバーに、サイ・ババは、思いもよらない最高の時間を、お与えになったそうです・・・。
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