インドの魔よけ その1


古今混在するインドでは、額にお守りのビヴーティ(神聖灰)をつけたビジネスマンがブラックベリーを操作し、その右手首には魔よけの黒い紐が巻かれてあったり、日蝕当日は不吉だからと休暇をとり、大事な商談や事初めは、ラフーカーラム(一日のうちの不吉な時間帯)を避けたり・・・と、古くからの言い伝えに沿って生活している人が驚くほど多い。
インド人女性がキラキラとした派手なサリーやパンジャビを身にまとい、金銀ジュエリーや黒色のバッチリアイメークで身を飾り立てるのも、(夫にちゃんと養ってもらっていますという社会に対するアピールも兼ねながら)目に見えない負のエネルギーに対する「魔よけ」の一つとして役立っているらしい。

そしてインドにいて最も頻繁に耳にする魔よけは、『イーヴィル・アイ』という人からの邪視を防御するもの。
サンスクリット語KAN DRISHTI というイーヴィル・アイは、悪意を持って相手を睨みつける事によって、対象となった被害者に呪いを掛ける事が出来ると恐れられているだけでなく、「あ、いいなぁ」とか、赤ちゃんを見て「可愛いなぁ」といったちょっとした羨望や軽い嫉妬心も、負のエネルギーとして対象者を傷つけると伝えられている。
人間、生きていたら妬みや嫉妬といったドロドロとした悪意がなくとも、「あの人いいなぁ」とか、「赤ちゃん小さくて可愛いなぁ」という心が自然と湧きあがるものだと思う。ある霊能者は、世の中で一番怖いのは「生霊」で、それはなにもホラー映画に出てくるオドロオドロシイものではなく、肉体を持った生身の人間が発する負の思考、マイナスの念が作りだす怨念や環境らしい。そういった些細な思いが知らぬ間に誰か(自他共)を傷つけているなんて、怖い...というか、精妙なエネルギーのカラクリに驚きを禁じ得ない。おーこわ。カルマの応酬があるのに・・・(焦)

実際、サイババアシュラムのダルシャン会場で見かけるインド人の赤ちゃんは目の周りが異様に黒かったり、顔に不釣り合いなほど大きなほくろがあったりする。病気なのかな?と思っていたら、その数の多さに、病気ではないことを次第に察知する。これも、赤ちゃんの可愛さに周りが嫉妬しないよう、あえて「不完全に仕上げて」美形を損なわせる魔よけの一種。生まれたばかりの繊細な赤ちゃんにマイナスのエネルギーが注がれると、食欲が失せたり、夜泣きをしたり、食べ物を戻したり・・・と体調に色々な影響を及ぼすらしい。『イーヴィル・アイ』の対象者は、赤ちゃんや若い女性に新婚女性、高位の職務に就く人々などが多いと言われている。

かくゆう私も不特定多数の方々に写真を添えて結婚報告をした直後、何の前兆もなく突然高熱を出して倒れ込んでしまった。数日たっても容態が戻らないことを心配した彼は、「これはイーヴィル・アイかもしれない...」と、二つの魔よけをするよう私に勧めた。それも、黒い木綿の紐と漆黒のアイライナー。インド人っぽいなーと思いつつ、体中が熱でマヒした状況下で、治るものなら何でも試したいという心境。言われる通り、ティルパティーのヴェンカテーシュワラ寺院で祝福を受けたという黒い紐を手首に巻いてもらった。
その夜、彼は何日間もベッドで苦しんでいる状況を見るに見兼ねて、サイババに手紙を書いた。
サイババは手紙をお取りになる前から書かれている内容がお分かりになるらしい。翌日のダルシャン中、彼が座っていた位置とは逆方向に視線を注いで近づいてこられるスワミを見つめながら、「今日は、取って頂けないだろうなぁ・・・」と思っていたら、向こうの方からスワミがクルッと彼の方に向き返り、「あの手紙を取ってきなさい」とサイ大学の副学長に指示なさったらしい。

翌日、約1週間ぶりに私の熱は下がり、再び、支えなしで歩けるようになった。
スワミの恩寵か、魔よけの効力か・・・。真相は神のみぞ知るというところですが、『イーヴィル・アイ』に効くと言われている処方を皆さんにご紹介したいと思います。


1. 黒い木綿の紐

寺院で祝福を受けた黒い紐を人々の視界に入る位置にネックレス(首のまわり)や ブレスレット(右腕)として装着する。
これは、黒い紐ならなんでもいい、ということではないらしく、しかるべき寺院で販売されている黒い紐でないといけないらしい。
有名なのは、ティルパティーのヴェンカテーシュワラ寺院で、黒い紐の他にも神様は木曜日に両目を開いて参拝者を見つめるといわれていることから、木曜日の朝からスップラバータム(朝の礼拝)、日中ダルシャンとネトラダルシャン(Nethra Darshan)を受ける方法も良いらしい。









2. カージャル((KAJAL

クレオパトラも愛用していた黒い鉛(スス)でできたアイライナーで、目を囲んで目力を強くしたり、大きなほくろをつけて、美形を損なわせる。
インド人の発音を聞くとガージャルとかゴージャルとかとてもKで始まる言葉には聞こえないのだけど、アーユルヴェーダを含むいろんなブランドから出ていて手軽に手に入る上、ひまし油さえあれば、自宅で簡単に作ることができるらしい。
眼病予防にもなるから、ぜひ使ってみたら、というインド人の知人。目の中にいれるものだから高いものを買った方が良いよ、と言われて少し探してみた。
値段は、ともにインド製で、次の通り。

SHANNAZ HUSAIN社(インドの高級アーユルヴェーダ化粧品会社):200ルピー
ヒマラヤ社(インドの薬屋さんでよく見るアーユルヴェーダ総合薬品会社):105ルピー
LAKME社(インターナショナルコスメブランド):40ルピー


他にも、レモンと赤唐辛子を使った方法やマントラハヌマーン・チャリサ)を唱えたり、お写真を飾ったり・・・とか色々な方法があるみたいですので、また追ってアップしていきたいと思います。


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サマスタ ロッカー スキノー バヴァントゥー
みんな しあわせに なりますように
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