インド鉄道・シャターブディー急行と旧正月


パルティ巡礼、前回の列車移動の経験を経て、今週末は寝台列車プッタパルティ直行便ではなく、早朝出発のバンガロール行きを試してみた。

先ず、インド鉄道(IRCTC)のサイトにアクセスして、チェンナイからバンガロール行きの運航スケジュールを確認。希望する列車が移動曜日に運行されていたら、その列車を選択して、料金と空席状況をチェックして予約。
サーバーのせいか、操作中の待ち時間が長かったり、初めから入力...を何回か繰り返すけど、慣れてしまうと、けっこう簡単。

そして今回は、シャターブディー急行(Shatabdi Express)に乗車。
Shatabdiというのは、世紀、という意味で、“世紀一の急行”という意味を込めた、かなり設備の整った特急列車。車内は日本の地方路線並みに整備されていて、ACの設定温度も適温でけっこう快適!
発車直後には、新聞2紙、スナックと共に甘いコーヒーか紅茶のサービスがあり、しばらくすると朝食が配られてくる。朝食は、ジャムバターを添えた食パンに南インドの軽食、イドリーとサンバルにヴァダといった内容。そして締めくくりには、またコーヒーか紅茶のサービス。食事を口に運びつつ南インドの田園風景を鑑賞しながらひと眠り・・・を繰り返していると、5時間の旅があっという間に終わる。


バンガロール中央駅、朝11時の風景。もう、夏の到来かな?日差しが強くて暑かった。

午後ダルシャンに間に合あうよう、バンガロール駅からパルティには、おなじみのAhmed Tours & Travelのタクシーにて出発。渡航前に書いたブログ“航空券購入とアシュラムまでの交通”と同じ理由で、相変わらず Ahmed(アハマッド) に信頼を寄せている私...。
暑いのと、排気ガス防止のためエアコン(AC)をお願いすると、ACは別料金で400ルピーの追加。
タクシー費用は、タタ社のIndica という小型車の場合、バンガロールプッタパルティ:1400ルピー、プッタパルティバンガロール:1350ルピー...と、最近、高速料金が加算されるようになった。
というのも、バンガロールハイデラバード間を走る高速道路工事がかなり進んでいて、空港からプッタパルティに着くのは、たったの2時間。
バンガロール市内からでも、3時間でパルティに到着する。そこで、新たに料金所が設置され、たったの50ルピーで30分も所要時間が短縮することになる。
3時過ぎに始まるトークンラインに間に合わないかな...と思っていたものの、2時にはアパートに到着。早速サリーに着替えてダルシャンラインに向かった。


2月20日の土曜日、プッタパルティアシュラムでは、中国文化を継承する国々が主催する旧正月のお祭りが開催されていた。

かなり人数が多いなぁ…と思っていたら、中国人やインドに亡命したチベット僧侶を筆頭に、マレーシア、シンガポールインドネシア、台湾、香港から900名以上の参拝者がパルティに集結していたらしい。

オープニングパレードには、サイババのご邸宅から中国版ハヌマーンの「孫悟空」が現れたと思ったらすぐ後ろには寅年を記念して(?)獅子舞に似せた二頭の「寅舞」が陽気な踊りを披露。そのあとに各国のバルヴィカス(子どもたち)の行進が続き、最後にオレンジ色のローブに身をまとったサイババが登場。


一カ月ぶりにスワミの姿を見ることができて少し、ジーンときた。
やっぱり、プラシャーンティニラヤム (至高の平安の館) は、私の心の安住地だわ...。
サイババの姿を眼で追うだけで、ずっしりとした、すごいエネルギーが身体に入ってくる。


旧正月のプログラムには、サイ大学の学生がよく上演する ブッラカタ に続き、歌や踊りありの各国共演コメディドラマが上演された。

先ずはマレーシアの参拝者による、ブッラカタ。(BURRA KATHAアーンドラプラデーシュ州の伝統芸で、ブッラという弦楽器を持った語り役と解説役と笑いを取る役の三者が、難しい話をわかりやすくユーモアを交えて語り聞かせるもの。)いつもテルグ語で上演されるのを観ていたので、周りの人達が笑っても何のことやら、チンプンカンプン。
今回は英語上演なので、初めて話の内容や、その面白さが分かった。メインヴォーカルの歌唱は、荒削りながらドキドキするぐらい心に響く、印象深い声だった。笑いあり、ヴェーダ詠唱ありのブッラカタが終わると、次には、“Unity is Strength:一体性は力なり”というテーマの、演劇が始まった。

個人的な感想だけど、過去に見た英語のドラマのなかでも、五本の指に入るぐらいの素晴らしさ。

現代家族が抱える問題という暗いテーマをコメディタッチで浮き彫りにしながら、古典のエピソードを組み入れていくストーリー展開。家族の長老であるお爺さんが若い家族や、その同僚に『家族のきずなの大切さ』や『人間的価値の大切さ(金銭を投資するなら消えていく株や商品ではなく人材育成をなさい...等)』を諭していた...けれど最後には、それを諭していたのはサイババの分身だった、という先の見えないエピソード。

真面目で重くなりがちなテーマに、テンポ良い笑いとウィットが効いた会話を入れた内容にどんどん引き込まれ、一時も目が離せなかった。香港アクション映画などコメディ映画が発達している地場があるのか、出し物という枠を超え、エンターテイメントの域に入る完成度の高さに感動。
フィナーレの、仕事に打ち込んで家庭をかえりみなかった父親、反抗的で言うことを聞かない子どもといったバラバラの家族が一つになったシーンでは、サイババもハンカチで涙を拭いながら鑑賞なさっていたとのこと...。
それに...よく、ここまで大勢のグループを取りまとめたなぁと感心するぐらい、ダンスに古典劇...と、100名以上の出演者から成る各国の出し物が一つのストーリーラインに盛り込まれていた。エンディングに流れていた英語のBGMは、おそらく、プロのミュージックプロデューサーの手が入っているだろうなぁというぐらいの、素敵なデヴォーショナルソング。思わず、売ってたら欲しいなぁ、と思った。

とにかく、すごい、感動。

余韻に浸りながら絶対、物質化があるだろうなぁと、思っていたところ、サイババは一人の青年にペンダントを物質化され、参加者にはドーティの布とサリーの布地を配布された。そして、ダブルアールティ(2回の献火)にダブルブレス(両手の祝福)。 久しぶりのパルティ巡礼に、酔いしれた。

土曜日に配られたプラサードは、各国が持ち寄った駄菓子の詰め合わせ。日本語入りのお菓子もあったのが懐かしくて新鮮だった。



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