ヒンドゥー教徒の不思議★習慣 1.


インドで生活していると、日常生活のあらゆる場面に宗教的概念が入り込んでいることにびっくりする。
例えば、木曜日の今日はヒンドゥー教で神々のグル(師)であるヴィシュヌ神を崇める日。この日には、神に捧げる讃歌を歌うバジャン会が開催され、食事制限や絶食をする人も多い。


いつもならマンションのベランダから洗濯物がひらひらと風になびいている光景を目にするけど、今日に限り、洗濯をする家庭はごく少数派(キリスト教徒とかノン・ヒンドゥーの家庭)。そして、敬虔なヒンドゥー教徒の女性は、木曜日は洗髪も控えるらしい。おそらく、神聖なグルの日に、不浄なモノを洗い流すことを避ける習慣だと思う...(理由をご存知の方はぜひコメントを!)
・・・と、この習慣を知ったのも、ある朝彼に、「今日は○○を洗濯するね」と告げると、「今日は木曜日だから、明日にして」という言葉が返ってきた時。思わず、「どうして?」と二度聞きしてしまった。


インドにはこういった習慣が日常生活の中に散りばめられていて、そのほとんどが神話に由縁しているところがすごいなぁというか、これこそ、現在でもインド文化が健在する要因なんだなぁと感心する。
きっと、幼いころからお母さんやお祖母さんが枕元でラーマーヤナとか、神々が示すプラーナ文献を分かりやすく読んで聞かせて「勧善懲悪」の精神を教えたに違いない。児童の人格形成において罪に対する恐れや善良さに対する好意的な思いを培う方法として、これ以上に有効なものはないと思う・・・。 なんてったって「三つ子の魂百まで」ですから。


そこで今日は、インドで暮らしていて、???と思ったヒンドゥー教徒ならでは、の生活習慣をシェアしたいと思います。



日常生活編:
1.夕方(日没時)には、爪を切ってはいけない。
理由:その昔、苦行への褒美として魔王ヒラニヤカシプは、ブラフマー神から「いかなる神、悪魔、人間、獣や武器によっても殺されず、昼や夜、地上や空中、屋内や屋外にいても、決して殺されることはない」という不死身を授かった。そして人神に対しておかまいなく、あらゆる非道を繰り返した。その悪鬼を退治するため、ヴィシュヌ神は半人半獅子の化身、ナラシンハとして降臨し、昼でも夜でもない夕方(日没時)に、地上でも空中でもないナラシンハ神のひざの上で、屋内でも屋外でもない玄関口で、武器ではない爪を使って魔王、ヒラニヤカシプを裂き殺した。

その為、人類を羅刹から救ったナラシンハ神に敬意を表する、もしくは、人類を救った爪を夕刻に切り落とすなんて縁起が悪い、という意味合いから日没時には爪を切ってはいけないといわれている。

2.玄関を通過する際は、踏み板をまたいで入り、玄関前に座ってはいけない。
理由: 上と同じ。また、お土産物を手渡すのも、玄関先ではなく、一旦家に入ってから、が良しとされている。入室時には、不浄な左足からではなく、右足から踏み入れる。


3.切った爪は水に捨てる。
ある日彼が、手洗い(Wash Basin)の前に立って爪切りをしていたので、「そんな所に爪を流したらパイプが詰まるよ・・・」と告げた。そうすると驚いたように、「インドでは爪は水に流すんだよ」という答えが返ってきた。なんでも、爪や髪の毛を水に流すと再度収集して取り出すことは難しい。黒魔術とかに悪用されるのを防ぐため、日々用心しておくことにこしたことはないらしい。
現代日本人の中で一体何人が、「もしかして黒魔術をかけられる可能性があるかも」と恐れて生活しているだろう?サイババの母、イーシュワランマでさえ、帰依者からの邪念を守る(祓う)ため、アーラティの際はサイババの身体に向かって(マイナスエネルギーを吸収する作用があると言われている)ココナッツを回していたという。私が出会ったインドの人々が抱く、この「人からの邪念」に対する怖れは、とても奥が深い。


下記は次回に続く・・・

4.起床時と日没前に、キャンドルの灯を点す。
5.夕食にヨーグルトを摂ると、借金を抱える。
6.土曜日には鉄製品や金属製品を購入しない。
7.沐浴時の服装


★ 対人関係編

★ 女性の所作編



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