サイババの学生の妻として‐ 服装面 その2.


聞くところによると、一部の日本人の間で「パンジャビスーツを着ていると、ダルシャンを受けられない」という噂が飛び交っているらしく、「私、サリーを着られないんだけど・・・」という参拝者の恐怖心をあおっているらしい。

そういう話を耳にすると、「それは、ある事実が誇張され、伝言ゲームの果てに拡大解釈されて広まった “単なるウワサ”ですので、どうぞご安心ください」と、不安を感じている方々に伝えたい気持ちに・・・。


実際、私がプッタパルティに滞在して見聞きしたNG服は:
1.くるぶしが見える丈の衣服(スカート、ズボン問わず)
2.ノースリーブ(パンジャビでもノースリーブはNG)
3.胸・肩周りを覆うスカーフ無し
4.透ける素材(特にスカート)
5.身体の線が出るピッタリとした服・・・ぐらいでしょうか。

あまりお勧めはできませんが、Tシャツにロングスカートの上からスカーフをまとう西洋人もチラホラいます。


そしてつい先日も、パンジャビスーツを来た知人がでファーストラインに座っていましたし、サイババからインタビューに呼ばれる人の中にも(おそらく北インド出身)、パンジャビスーツを着たファミリーも見かけます。


そうとは言うもの・・・。
やはり南インドの正装は、「サリー」であり、サリーを着ている人が優先的にファーストラインに座せてもらえる、という事実は否定できません...。
トークンで自主的に最前列に座れた人がパンジャビを着ている為にそこから移動させられることはありません。

しかし急に一席空いて、セキュリティーが、「どの参拝者を座らせるか...」と決める際には、洋服やパンジャビスーツよりも、サリーを着用している人にお声が掛かります。

そして「サリー優先」は言わばダルシャン会場内の暗黙の了解(?)ですので、それを曲げて帰依者同士の譲り合いでパンジャビを着ている人を最前列に座らせ直すと、変なことになり兼ねません…。


と、ここで先日、私が目にしたあるエピソードを・・・。


ある朝、参拝者の間で「お帰りコース」と呼ばれているダルシャンラインに並んでいた時のこと。
パンジャビスーツを着たサイ大学の卒業生が、スチューデントライン(卒業生席)に座ろうとしたその時・・・、一人の年老いたセキュリティーが足早にやってきて、声を荒げて彼女に注意した。

「あなたはそこに座ってはいけません。今日は、こっちに座りなさい!」そして、「え?...えっ?」という感じの、腰を下ろしたばかりの女の子を立ち上がらせ、隣接するペイショントライン(患者席)の後方席へと連れて行った。
誘導中、セキュリティーのアンティが言った言葉は、ただ一言、「学生席に座りたければ、サリーを着用しなさい。」


思わず、「おぉーこわっ」と心の中で呟き、自分の服装を省りみた。
そういえば彼もしきりに、「プッタパルティではできるだけ、サリーを着るようにね・・・」と控えめに何度も言ってたっけ。卒業生でさえ、ダメだしされるんだから私なんて一体・・・。


結婚前、インドといえば南インドプッタパルティにしか来たことがなかった私は、サリーだけが唯一無二の正装で、パンジャビスーツは普段着だと思っていた私。
和装に例えるなら、「サリーは着物でパンジャビは浴衣」という情報をインプットしていたせいか、インド滞在中にサリーばかりが増えていき、まともなパンジャビは、持っていないに等しかった。


その後、パンジャーブ州(パンジャビスーツの語源)出身の彼と結婚して初めて知った新事実 ‐ 「北インドでは、パンジャビ(サルワール・カミーズ)も正装扱いされている」を耳にした私は、心の中で築いた『サリー信仰』が一挙に崩れ落ち、日増しにパンジャビ着用率が高くなっていた。

「だって夫の故郷の正装ですし、なんてったって、食後の快適さはパンジャビの方が断然、上...」といった大義名分(?)で景気づけ、以前のサリー一色の日々はどこへ行ったやら・・・時折、私がスワミの学生の外国人妻だと知っている方から注がれる視線が刺さって居心地の悪さは感じつつ、その日も私は、セキュリティーに注意された卒業生と同じく、着心地の良いパンジャビスーツを着用していた。


しかしながら、やはり 『サリー優先』は健在。

黄色いスカーフをしているセキュリティー(サイ大学の卒業生)や、スワミの親族席に座っている女性たちは皆、サリーを着用しているし、誕生日や記念日の祝福など、特別な許可が下りる「ブレッシングライン(祝福席)」を所望する際にも、サリーを着ていくように、と言われている。

夏期休暇の期間中、様々な西洋諸国の人々が千人単位のグループでパルティに来訪しているけれど、「ユニフォーム」といえば、決まって、サリー。決して、洋服やパンジャビスーツ、もしくは各国の民族衣装を「ユニフォーム」として選ぶ国は見かけない。


現在パルティに滞在しているUKグループのサーダナキャンプに参加している知人によると、出国前のオリエンテーションには二度ほど「身嗜み講座」が開催されたらしく、最終日には全員がサリーを着て整列し、サリー着用時に必要な小物も一緒に身に付けたとか・・・。

さすが、紳士と淑女の国・・・と思いきや、イギリスにはNRI(非居住インド人)が多いということもあるらしい。
尚、サリー着用時に必須、と言われた小物類は次の3つだそう。
1.バングル 
2.イヤリング(ピアス)
3.ビンディー(既婚者はシンドゥールも)


・・・と、これは私も以前、ダルシャンラインに並んでいた時にインド人のキャンティーンスタッフから言われたことがある。

中央のダルシャンラインの前方・右側は通常、キャンティーンスタッフラインといって、アシュラムのキャンティーンで働くスタッフ用の参拝エリア。その周りには、一般帰依者が間違って入ってこないようにと監視するセヴァダルが配置されている。ある日、その横に座った私は、インド人スタッフと、地方から来た若いセヴァダルを交えてガールズトークを始めた。
そこで、「まぁー、サリーをうまく着こなしてるわねぇ(外国人がよく受ける称賛)」と褒められ、誰に着付けを習ったか(外国人がよく受ける質問)と聞かれた私。

うーん、その 「誰に習ったということはなく、スワミに祈ったら、着れるようになったんです…」。


「気は確かか!?」と言われてもおかしくなさそうなその返答…。
私は続けて、ある朝起こった出来事をセヴァダルに説明した。


その3.に続く・・・




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