バンガロール知人宅

バンガロールのバス停で、サイババの信奉者である知人と合流し、数日前に配車されたばかり、という新車に乗っておうちに向かった。バンガロールの目抜き通りをドライブしていると、ラーマクリシュナミッションヴィヴェーカーナンダ像の前を通り過ぎた。月並みな感想だけど、都会の喧騒の中で、そのあたりだけ木々が多く、静寂な雰囲気が漂っていた。今度時間がある時に、中に入ってみたいと思った。
ブラフミンカーストに属する知人宅で驚いたことは、ヒンディー教の風習を厳格に守っていることだった。

邸宅の中央に礼拝室が設けられていて、部屋の壁には神々の写真を飾っている。朝は沐浴後、食前に其々が礼拝を行い、男性陣は会社へと向かう。女性は、早朝から起きて家族の朝食、お弁当の調理をし、全員の面倒を見終わった後、沐浴をし、礼拝を捧げてから朝食の席に着く。日中は各曜日に崇めるべき対象の神々に礼拝を捧げ、夕食の準備に取り掛かる。男性陣は帰宅後すぐに沐浴をして礼拝用の服に着替えて祈りを捧げてから、家族との団欒などを始める。
到着した夜は、エーカーダシーにあたり、FASTINGの日だという。これは、プッタパルティで、7月の初めに盛大に行うアーシャディエーカダシーとは異なり、毎月新月と満月からそれぞれ11日目に各家庭で行われる礼拝。日本人の私は、FASTING=断食だと思っていたけれど、インドの人たちの間ではどちらかというと、食事制限を指すような・気がする。日本にいた時、インド人の同僚が I'm fasting today と言いながらフルーツを食べていたのを見て何と返答したらよいか分からず、But, you are eating...と心の中で呟きながら苦笑いを送ったことを思い出した。この日は、米やコーヒーを含む穀物や豆類を口にしてはいけないし、クミンやマスタードなどの香辛料の使用も控える。Coconut Upmaという食事が出た。白いおせんべいがとっても美味しかった。

食事の作法や、調理器具など、何から何まで初めて見聞するものばかりで、興味津々に質問を投げかけた。
まず、作法として、右手と左手にはぞれぞれの役割があり、結婚式や祭事で間違えるととんでもないことになることもある・・・と聞いた。例えば、右手は、各自の皿に盛られた食べ物を自分の口に運ぶためにだけ、使用するらしい。食事中の人が不意に、もしくは好意で手伝おうとして給仕中の大皿に右手で触れてしまったら、その瞬間、その食べ物は全部、触れた人以外口にできなくなるらしい。インドでは手で食べるから、衛生上の問題なのかな?と思っていたら、ナイフフォークなどのカトラリーを使用する時も同様で、結婚式とかに御呼ばれした時にそれをやっちゃったらゲストがみんな帰っちゃうから気をつけてね、と冗談っぽく言われた(これ、たぶん冗談ではなかったと思います)。
ちなみに左手は、インドでは本当の意味で不浄なので、机の上にも置いてはいけないのかな?と思っていたら、自分の飲み物を口に運ぶためと、デザートカップなどの取り皿を取る時に使用するらしい。自分以外に属する取り皿等に触った後は、左手の指先を2−3回飲み水に漬けて浄化する。家庭料理のため、フィンガーボールこそ用意していなかったけど、浄化した後の水は別に普通に飲んでもよいらしい。うーん、奥が深い。そして、食事が終わった際は、皿に盛られている塩(カードライスなどを食べるために、塩が添えてある)に水を垂らし、お皿の表面に水をはる。意味を聞いたら分からないって言っていたけれど、後日別の友人に聞いたところ、なんでも、食後の皿が乾いたら、婚期が遅れるといった言い伝えがあるらしい。へ、そうなんだ。うーん、さらに奥が深い。

そして、なんといっても驚いたのは、インドのナイフ!野菜も、ココナッツの実を削るのも、コレ一つでOKという、鉄製のトラディショナルナイフ、Addoli。鉄製なので、切る時に鉄分が野菜に入って健康に良い、とのこと。そういえば、日本の昔ながらの調理器具も、鉄鍋や鉄包丁に、鉄玉など、ナチュラルに体に良いものを使っている。空港のセキュリティーで引っかかってしまうので、日本には持って行けないらしい。税関の人もさすがにこれはびっくりすると思う。



まったく違う食べ物ばかりなのかしら?と思っていたら、日本に似た食べ物もある。日本のたこ焼き機に似たもので焼く、南インドのドーサ焼。さっぱりしていておいしかった(*^_^*)日本でタコ抜きのたこ焼きを屋台のおじさんに作ってもらったことがあるけど、やっぱ、生粋のベジ器具で作るのとは、味が違う。一度非菜食を調理してしまったら、臭さが調理器具に移ってしまうのが理由なんだと思う。

食事を作った後は、火の神、アグニに感謝とご加護を願う。

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