ガヤトリーマントラ (その1)

サイババ紀行に訪れる方々の検索キーワードの上位を占めるのは、「ガヤトリーマントラ」。
集計してみると、約3割の方が、『ガヤトリーマントラ』(Gayatri Mantra)というキーワードで当ブログにお越しになっています。
時代がアセンションを迎えているからかな?ガヤトリーマントラの一ファンとしては、嬉しい限りです。それにしても、現在、日本語に訳されているガヤトリーマントラ関連の書籍はごく限られているので、もっともっと知りたい人は、むず痒い思いだろうなぁ・・・と思ってみたりもします。

そこで、今日は私自身が唱えていくうちに疑問に思ったことを調べて皆さんと共有したいと思います。


ところで、ガヤトリーという日本語訳のカタカナ。

サイババが学長を務めるサティヤ・サイ大学で7年間の間、毎朝ヴェーダを学んでいた彼の言葉を聞いていると、何度聞き直しても、ガーヤットリーと発音している。
ガヤトリーじゃないの?と聞くと、
ガー、ヤット、リィ、…と、子どもに教えるように何度か繰り返して発音してくれた。やっぱ、違ってたんだ。

サンスクリット語には日本語にはない発音がたくさんある。インド人同士でも、サンスクリットをちゃんと習った人と一般の人では発音に大きな違いがある。うーん、そうであれば、日本人なら、その違いはなおさら大きいかも。
最近、色んなヨガ教室で、ガヤトリーマントラを唱える機会が増えているそう。
こういったマントラ真言)を唱えるときは、ある意味、マントラの効力が凄いので、正しい発音を伝授してもらうまでは、気軽に唱えない方が良いような気が...。もしくは、原語をしっかりと聞きとって音を識別し、ご自身の吟唱を録音して発音があっているかチェックするのも良いかもしれません。

さてさて、ガヤトリーマントラを日々唱えているうちに芽生えた疑問…個人的に私が抱いた点は、次の六つに集約されます。


1.ガヤトリーとは誰?
2.ガヤトリーは本当に五つも顔をお持ちなの?
3.ガヤトリーマントラが具体的に他のマントラと違うところは?
4.ガヤトリーは誰が発見したの?
5.ガヤトリーマントラには色んなバージョンがあるけど・・・。
6.どこに行ったら正確な発音が習えるの?


ガヤトリーマントラ (その1)では、先ず1〜3を一つずつ、(今の時点で分かった)答えをさらっと並べていきたいと思います。


1.ガヤトリーとは誰?

ガヤトリーとは誰でしょう? ガヤトリーは女神ではありません。ガヤトリーはヴェーダの母です(Gayatri Chandhasam Matha:ガヤトリーは全てのマントラの母)。その一方で、ガヤトリーにはガヤトリーサヴィトリー、サラスワティ―といった三つの名前があります。これらは、全ての人々の中に内在しています。

『ガヤトリー』は感覚を示し、感覚を支配します。『サヴィトリー』はプラーナ(生命力)を司ります。多くのインド人は、サヴィトリーが死んだ夫、サッティヤヴァンを生き返らせた話を知っているでしょう(訳注:インドの神話マハーバーラタに出てくるワンシーン)。サヴィトリーは真実を象徴します。

サラスワティはスピーチ(ヴァーク)を司る女神です。これらの三つはトリカーラナ・シュッディ(Thrikarana Shuddh)、思い、言葉そして行動の純粋性を示します。ガヤトリーは三つの名前で称されますが、それらは全て、感覚(ガヤトリー)、言語能力(サラスワティ―)、生命力(サヴィトリー)として、私達の中に内在しているものなのです。[23-8-1995]

マントラの吟唱者に知性や直感力を授け、それを育み活性させる神をガヤトリーと呼びます。
唱える者に生命力を授け、守護する神をサヴィトリーと呼びます。ヒンドゥー教聖典にもあるように、サヴィトリーは、死んだ夫、サッティヤヴァンを生き返らせた献身的な妻として知られています。サヴィトリーは、五つの生命力の守護神なのです。サヴィトリーは、誠実な生き方をする者たちを守護します。
唱える者に話す力(スピーチ)を授け、守護する神をサラスワティ―と呼びます。

サヴィトリー、サラスワティ―、ガヤトリーが守護する対象が『生命』、『言語能力』、『知性』に関連しているため、ガヤトリーは万物の神の化身(サルヴァデヴァタ・スワルーピニ:Sarvadhevathaa-swaruupini))と称されています。[17-3-1983]


2.ガヤトリーは本当に五つも顔をお持ちなの?

五つの顔を持っているガヤトリーは、パンチャムクティ(Panchamukhi)とも呼ばれています。
この世で、五つも顔を持った者がいるでしょうか?いいえ。ラーマーヤナ物語で、魔王ラーヴァナは十の顔を持つ者と語られています。もしラーヴァナが十個も顔があったなら、一体どうやって寝床に横になったり、行動したりすることができるのでしょうか?
この説明は、内的意義を示すものではありません。ラーヴァナは、四つのヴェーダ聖典と六つのシャーストラを全てマスターしたことから、十の顔を持つ者と言われています。

同じように、ガヤトリーも五つの顔を持つ者と言われています。その五つの顔とは以下の通りです。

1 オーム
Om The primeval sound 原初音 プラヴァナ(※)
2 ブール・ブワッ(ハ)・スヴァハ
Bhur the physical world  物質界(体)
Bhuvah the mental world  アストラル界(精神)
Suvah the celestial, spiritual world  天界(魂)
3 タッ(ト)・サヴィトゥル・ヴァレーンニャム
Thath That; God; transcendental Paramatma  その 神 全てを超越する至高の実在 
Savithur the Sun, Creator, Preserver  太陽、創造主 維持主
Varenyam most adorable, enchanting  最も尊敬されるべき  魅惑的な 
4 バ(ル)ゴー・デーヴァッスヤ・ディーマヒ
Bhargo luster, effulgence  霊的光輝
Devasya resplendent,supreme Lord  光輝く 至高神
Dheemahi we meditate upon  瞑想します
5 ディヨー・ヨーナッ・プラチョーダヤー(ト)
Dhiyo the intellect,understanding  理性/知性  理解
Yo May this light  その光によって
Nah our  私達の
Prachodayath enlighten,guide,inspire  啓蒙 導く ひらめきを与える

(※) プラナヴァの原理は、8種類の富、アシュタアイシュヴァラ:ashta-aishvaryaを示します。

聖音オームから生まれ、肉体、生命力、魂を司るガヤトリー女神を私は瞑想します。慈愛に満ちた母なる女神が、聖なる光によって子どもである私たちを啓発し、純粋な知性を授けてくださいますように。(SSP発行・ヴェーダテキストより)
更に詳しい言葉の解説はシータラーマさんのブログを参照ください。

このような解釈でガヤトリーマントラを捉えれば、ガヤトリーが含む五要素すべてが、私達の中にも内在していることに気付くでしょう。[23-8-1995]

ガヤトリーの五つの顔は、五つの生命力(パンチャ プラーナ)を表します(訳注:五つの生命力は五大元素、五つの行動器官と五つの感覚器官...話し言葉、触覚、姿、味、匂いの感覚を代表します。パンチャ プラーナについてはこちらで)。ガヤトリーは、人間に内在する五種類の生命力の守護神なのです。


3.ガヤトリーマントラが具体的に他のマントラと違うところは?

ガヤトリーマントラは、純然たるマントラではありません。マントラと祈り、(そして原初音、プラナヴァ)を結集させたものです。
純然たるマントラ真言)は、音によって生じる力、マントラシャクティに依存します。そのため、マントラ自体に意味がある場合や無い場合があります。
しかしガヤトリーマントラは、「Gayantam Trayate iti Gayatri:ガヤトリーは、それを唱え、瞑想する者を守護する」とも言われているように、非常に大いなる祈りの力が込められています。
そのため、他のマントラに比べて遥かに大きな霊的進展を授かることができるのです。(Sarvadevi SwarupiniVedamatha Gayatriより)

ガヤトリーマントラは、1.称賛 2・瞑想 3.祈願 という三つのパートに分かれています。
先ず神を称賛し、崇敬の念を持って瞑想します。そして最後に、私たちが至高の真理に目覚め、知性や識別心を育み啓蒙して頂けるよう、神様にお祈りします。[ 20-6-1977]



4.ガヤトリーは誰が発見したの?
5.ガヤトリーマントラには色んなバージョンがあるけど・・・。
6.どこに行ったら正確な発音が習えるの?


ガヤトリーマントラ (その2)に続く・・・



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☆ ガヤトリーマントラに関する記事の内部リンクを貼っておきます ☆
1.ガヤトリーマントラ   
2.ガーヤトリーマントラ (その1) (この記事です) 
3.ガーヤトリーマントラ (その2)
4.サイ・スリー・ガヤトリー 
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