ラーマナヴァミ

ラーマナヴァミを祝うプログラムは、前日にあたる2日の午後、木曜日に行われた。


昨年、洪水災害に見舞われたオリッサ地方(読みではオディーシャ)の有志によって、「pala」という劇の上映があった。アナウンスメントによると、サイババがアシュラムにグループを招待したのは、今回が初めてだという。

オープニングでは、サイババからオリッサ地方の人々に贈り物が手渡された。一人ずつ、名前を呼ばれては、ホールの真ん中に取りに行き、セヴァから手提げ袋に入った贈り物をもらっていた。新居の鍵だ。

2008年後半に起こった洪水被害を被災した人たちに向けての 住宅供給プロジェクト として、1000棟の住宅が災害で家を失った人々に贈呈されたとの報告があった。

実を言うと、このアナウンスメントが行われた去年の10月27日、私は丁度、インドに居合わせて始終を目撃していて、サイババの愛の深さと奉仕における先を見越した統率力に心を打たれた観客の一人だった。サイババ世話人たちに、次のように伝えた…


Don't just give them. Ask them what they need…,To do so, release Airport and Kodaikanal - just do it. Requested 3 chief sevadals to go right away after the announcement for on site research to report back where the houses should be built. Build a house that they can live for a long time - not a temporary one. 一方的に与えつけるのではなく、彼らが何を必要としているか先ず聞きなさい。ボランティアだからといって、助けが必要な人たちに“奉仕”というエゴを投げつけるのではなく、長期的に、被災者達が幸せな生活ができるように配慮した指示を聞いて、素晴らしいプロジェクトリーダーの言葉を聴いたような気がした。こういった長期的な展望をもって利他的に迅速な指示を与えられる方は、私が、心から探し求めていた、理想のボスである。
心から愛し尊敬する人に、身も心も捧げたいという願いは、女性であることの醍醐味だと思うけど、あの瞬間、この方に付いていきたい!っと、人間的なレベルにおいても、スワミを認識したような気がする。ラーマやクリシュナといったアヴァターが王族の一人として国を統治なさっていたときはすごかったんだろうなぁ、国民全員が、その統治の見事さや愛の深さに心を奪われ、享受してたんだろうなぁと思った。


プログラムの後、サイババが出演者の方にネックレスを物質化して授けたらしい。

私は途中で抜け出して、明日入居するアパートに、AHMEDに預けていた荷物を移動しに行っていた。担当者の勘違いか、先方はタクシーの利用日と、翌日深夜の飛行機の出発日を混同していたようだ。空港までのタクシーを利用するついでに私の荷物を移動…と思っていたのが幸いしたのか、急きょタクシーを手配してもらい、事無きを得た。アシュラムゲートは9時に閉まる。祭典に出続けていて、部屋でタクシーが来るのを待ち続けていたら…と思うと、何気ないコトの流れに、ささやかな喜びを感じる。

午後9時、アシュラムの部屋で初日から一週間を過ごした知人達が、日本へと帰国していった。
楽しかった。10歳近くも年が離れているから、新しい着眼点に触れることができて面白い。心を開けば、学ぶことに於いて年齢はまったく関係なく、誰しもが外界に対して小さな子供になれると思う。そうしたら、予想外の素敵な発見が、まるで灰色の風景に咲く野花のように視界を輝かせるような気がする。不自然な我慢をしなくっていい仲間と共にする時間は、かけがえのない幸せ。


明日から、神様と二人っきりの生活が始まる。