サティヤサイババとは誰なのか? 〜 編集後記


“バープー” (父親の意味)という名称で知られているパラム・プージャ・サン・シュリ・アサラムジは、悟りを得たインドの聖者です。

万人に至高の意識が宿っていると説くプージャ・バープージは、バクティーヨーガ(信愛の道)、ギャーナヨーガ(英知の道)、そしてカルマヨーガ(奉仕の道)を統合した霊性の道を推奨しています。

ある日、プージャ・バープージがプラシャーンティ・ニラヤムのアシュラムを訪問し、スピーチ行った時、バープージはサティヤサイ大学の学生に向かって、次のように述べました。

「その昔、クリシュナ神は、ブリンダーバンにおいて、ゴパーラ(牧童)達のあいだを歩き、彼らに無上の歓喜をお与えになりました。学生諸君!今、その御方が、あなた達の周りを歩き、無上の喜びをお与えになっているのです!そのことを、知っておきなさい!」


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サティヤ・サイ・ババが、「スワミの学生」をとても大切にされていたことは帰依者の間では周知の事実で、幾度となくサイババは、「私の唯一の財産は、私の学生達です」と公言されていました。

そうしたある日、学生が優遇されている状況に対して不満を抱いた一人の帰依者が、サイババに向かって質問を呈しました。
「スワミ、スワミの学生達は、無料で授業を受けている上に、ダルシャン会場にいつ到着しても特別席に座ることができ、スワミの愛を思う存分に受けています。私達は炎天下の中、何時間も列に並んでも、スワミと触れ合う機会がほとんどありません。これは、不公平です!」


それに対して、サイババはこう答えました。
「私の学生達は、過去生においてこの上ない功徳を積んできたのです。あの子たちはただ、今生で、その行為の報いを受け取っているだけなのです。」


数多の聖者が口を揃えて“至高神”と賛美するサイババから、「私の唯一の財産です」と言って頂けるなんて、「なんて素晴らしい!きっと、人生においてもなんらかの特別措置が施されているのかしら?」と思ってみたりもしますが、話を聞いていると、どうやら「スワミの学生」であるからといって、人生の苦楽、過ちを犯すといった行為、そしてカルマの法則といったものから免除されているわけではないようです。


この世をお創りになった至高神は、人に自由意思をお与えになり、カルマの法則をお定めになりました。そして、たとえ聖者や、いかなる権力者であろうとも、この世に生を受け、肉体を以って二元の世界に身を置く間は常に心の“質”を保つために、絶えずマインドの動きに、気をつけていなければならないような気がします。


プッタパルティに滞在して色んな方と出会い、色んな方々のお話を聞いて、つくづく実感するのが、「神の愛の深さ」と、「霊性の道の危うさ」です。
どれだけ人が羨む立場・・・例えばスワミの側近や親族であっても、いくらスワミに「財産」と言って頂こうとも、肉体に魂が宿っている限り、修行者という立場は変わりません。

霊性は内面を扱う分野なだけに、個人の願望や妄想といったエゴの囁きを“神からの啓示”と思い込み、全く気付かぬうちに、“マイワールド”の住人になっていた・・・ということも多々ありえます。そして世俗的な義務や制約から免除される立場・・・例えば組織の権威者や、気ままに聖地滞在している立場にある人物ほど、マイワールドというマーヤに惑わされる可能性が高いのかもしれません。

そのうえ神様は、とてもとても謙虚で控えめでいらっしゃるため、私達がいかなる悪事を犯そうとも、私達自身が祈りや行為などによって神様に対して働きかけをしない限り、ことごとくヒトの意思を尊重なさり、たとえ私達が破滅の道へと向かおうとも全く干渉なさらないような気が...なんだか致します。

「あなたが一歩神へと近づけば、神はあなたに百歩近づきます。」という甘い金言がありますが、先ず私達が、神様の方へと近づかなければ、神様は永遠に私達の側にはやってこられないような気がします。本人の代わりに周りの人々や聖者が、人類の安寧を祈ってくださるのなら別の話ですが・・・。


サイババは、学生達に向かって「サイ大学を卒業した後、どのような人生を歩むかは、あなた自身で、選択しなければなりません」と、幾度となく語られていたそうです。そうしたある日、サイババは、「人生には、“常に二通りの道がある”」 、といった例え話をなさいました。

南インドの聖地・プッタパルティへと向かうには、カルナータカ州のバンガロールから、アンドラプラデーシュ州のハイデラバードへと続く国道7号を利用します。サイババは、それを例に挙げて、一つは、良い方向へと向かう道、もう一つは、悪い方向に向かう道と説明なさいました。


バンガロールへと向かう道は良き道で、ハイデラバードへと向かう道は、悪への道です。
どちらに進むかは、あなた自身で決めなければなりません。あなたがバンガロールに行くとしても、ハイデラバードに行くとしても、スワミはあなたを祝福します。良い方へと向かうとき、スワミの祝福は、あなた達と共にあります。そして悪い方へと向かうときも、スワミの祝福はあなた達と共にあるのです。

唯一の違いは、あなた達が良き道を選択する時、あなた達は良いカルマを獲得し、背負うカルマが減ります。あなた達が悪き道を選択すれば、悪いカルマを作り、あなた自身に、更なる苦しみを招くのです。

サイババは幾度となく、「人生のABCを心得ておきなさい」、と仰いました。
そのABCの一つに、Always Be Careful (常に 気をつけなさい)という言葉がありますが、「偉大な者になるためにエゴと執着を放棄しなさい」という講話の中でサイババは、さまざまな神格や偉人のエピソードを例に挙げて、いかにエゴと執着を放棄することが大切かということを説いています。


実に多くの聖者や聖職者が権力の元に集まる誘惑に惑わされている昨今。

ある時、スワミの学生がサイババに質問しました。
「スワミ、カリユガの現代では、悪い性質を帯びたグル(霊性の師)が、私欲や自己実現のために信者を利用しています。マインドを洗脳して金銭を巻き上げるグルの元で、たくさんの人々が苦しんでいます。しかも、そういったグル達の元で奇跡が起こるため、苦しみを抱えながらも、信者たちは、グルの側から立ち去ることができません。スワミ、何故このような事態をお赦しになっているのですか?それについてスワミは、どのようにお思いなのでしょうか?」

それに対してスワミは次のようにお答えになりました。

「確かに、そういったグルは多く存在します。そしてそのようなグルを信奉する人々も多く存在します。しかし、もしある帰依者が心の底からそのグルを神だと信じて心からの祈りを捧げれば、私は決してその人を見捨てることはありません。如何なる姿形に向かって捧げられた祈りでも、最終的にその祈りを受け取るのは私です。たとえグルが悪い性質を帯びていても、帰依者の祈りが真摯であれば、その帰依者が信奉する姿形を通して、私はその方の祈りを叶えます。」


困難な状況に遭遇した時、私達には大きく二つの選択肢があるように思えます。
一つ目は、人間として出来るかぎりのことをして、あとは天命に任せること。二つ目は、全ては神のご意思なのだからと、あるがままを受け入れ、状況に従属するだけで、なにも行為をしないこと。
後者タイプの人が組織のリーダーになると、非常事態の時は何かと悲惨ですが、公明正大な思考を介して状況を識別することよりも、周囲との調和を乱さず上意下達を美徳とする日本では、他国と比べてその傾向はやや強いように思えます。
しかし、どのような状況にあっても、私達には、祈りを通して神様と対話し、状況の改善を願うことができます。


神様への直訴がどれだけ強力か・・・以前、ドイツ人のルームメイトが語ったあるエピソードを、ここで紹介したいと思います。


かつてドイツは、東ドイツと、西ドイツに分かれていました。親戚でさえ離れ離れに暮らしていた状況。社会主義東ドイツでは思想もコントロールされていました。
そのため、西ドイツに住む帰依者たちは、東ドイツの隠れ帰依者の要望に応じてサイババに関する書籍を渡すためには、それを密輸する方法しかありませんでした。そしてこれは、「スワミが説く教えに従いたい」、と願う西ドイツの人々の心を、とても苦しめていたのです。


1988年のことした。
グループインタビューに呼ばれたドイツ人達は、彼らが置かれている境遇を、遂に、スワミに対して直訴しました。
「スワミ、スワミは私達に対して、法律を守りなさい、と仰います。しかし、西ドイツに住む私達は、東ドイツに住む兄弟姉妹にスワミの文献を渡すことは法律で許されていません。密輸するしか方法がないのです。スワミ、この状況をなんとかしてください!」

スワミはこう仰いました。
「安ずることはありません。私がなんとかしましょう。」

そして、このインタビューがあった翌年の1989年に、ベルリンの壁が崩壊され、東西を問わず、自由にサイ文献を届ける事が出来るようになったのです。





みんなしあわせになりますように


追記:
海外にいると、日本では報道規制されてシャットアウトされている情報が色々と入ってきますが(特に原発の安全論だけを流し続ける奇異なマスメディアに対する海外の報道等)、幼いお子さんがいらっしゃって日々の対策など気になる方は、【子どもを守ろう】というサイトをご覧ください。世界各国と日本を比べた食べ物の暫定基準値の差もわかりやすくイラストで説明されています。



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