日本にはないインドの風習・・・育児編 1


インド人の彼と私はそれぞれに思う“常識”が異なることが多いので、過去には度々、犬も食わぬ・・・いやいや、「お話し合い」に突入したことも何度かあります(いや・・・あのぅ、ラブラブにはかわりないのですが...トキドキ・・・です)。
たいていは、「ふーん...そうなの?」ということで収まるのですが、やっぱり、これだけは譲れない、というコトもあります。


特に、子どもの健康や育児法に関しては、それこそ、色んな説がありますから・・・正直、どの筋の情報を選択するのがベストなのかはまだよくわかってません。

そこで今日は、日本にはないインドの風習・・・育児編です。


例えば、「生まれた直後に、ハチミツかアムリタを赤ちゃんに舐めさせる風習。」
これは、ゴッドマザー的な、「いつかこんな人になってほしいなぁ」と両親が希望する人格者に、オームカーラムを唱えながら最初の一口を赤ちゃんに与えてもらう・・・という願掛です。
日本では、ボツリヌス菌による食中毒を防ぐために一歳以下の乳児のハチミツ摂取は厳禁、と言われていますが、インドでこの説は、あまりメジャーではないようで、「母乳より先に、ハチミツを…」というのがミソです。


里帰り出産で日本に帰国する時、たまたま、サイババが来生で生まれるとされるマイソール近郊の孤児院で十数年の間、ロケットペンダントから流れ続けているというアムリタを持って帰ってきていました。
主治医の許可が下りれば、赤ちゃんにそれを舐めさせようか・・・と思っていましたが、病院の先生にそのことを告げると、「何かあった場合、責任が取れないので、それだけはお断りしてください」ということで、とりあえず却下となりました。


それから南インドでは、「7か月目と9カ月目に、初産の妊婦を囲んで儀式を行う風習」があります。
その名は、シーマンタム(Seemantham)。

夫が健在の奇数数の、既婚女性(未婚・未亡人以外)によって、妊婦を女神のように飾り立て、赤と緑のガラス製バングルを腕に通して、シヴァリンガムを渡す儀式(プージャー)をし、「シヴァ神が赤子となって宿りますように」という祈りを捧げます。

(←サリーの着付けはタミル式で、布を体にピタッとさせるのではなく、わざとゆったりと着付けるそうです。)

もともと、シーマンタムは眉毛と眉毛の間(眉間)を指し、そこには富の象徴であるマハーラクシュミーが宿っているとされます。


眉間に宿るマハーラクシュミーは、女性がビンディーをする由来でもあるそうです。

これは、子を産む女性を「富を与えるラクシュミー女神」に見立てる、という儀式で、ガラス製のバングルを使う理由は、バングルの鳴る音が胎児に聞こえるように、ということだそうです。

この儀式の際、妊婦は、参加者全員から同じ儀礼を“奉納”されます。

ターメリックを塗ったシヴァリンガムがかなり重いので、力を入れて事務的にギュッと受け取ろうとすると、もっと心をこめて、「神様を授かる事をイメージして」受け取りなさい、とやり直しでした。


ホント、こうやって丁寧に教えてくれるアンティーがいて幸せです。

ちなみに、このガラスのバングルは、儀式終了後、分娩室に入る直前まで、寝る時もお風呂に入る時も絶対に外してはいけないことになっています。 (不意で割れるのは、仕方がないから気にしないで、と言われました。)

インドには徳高く敬虔な信者が多く、ある知人は、スワミから直接、「女神があなたの子として生まれた」と、さらっと告げられたこともあるそうです。儀式はあなどれませんねぇー。

プージャーには、新調したサリー、大量の花とクムクム、ターメリック、アーラティ用具一式、プラサードの食事、ココナッツのお土産が必要となります。終わった後は、顔も腕も、塗りたくられたクムクムやターメリックですごいことになってます。



さてさて、インドでは来週の火曜日から、9日間かけて女神を崇めるダサラ祭が始まります。

ネパールでは、血のけがれのない少女が、クマリとして祀られることが知られていますが、インドでも、ナヴァラートリーの祭典中は、少女を女神に見たてて崇められます。

プッタパルティ(ナヴァラートリー)は、全世界の幸福のための「ヴェーダ・プルシャ・サプターハ・グニャーナ・ヤグニャ」という七日間(サプターハ)の大供犠がメイン・プログラムとなっています。

今年は東京でも、ヤグニャ期間中の7日間朝晩ルッドラム(ナマカム、チャマカム)を唱え、第一回目のヴェーダ・プルシャ・サプターハ・グニャーナ・ヤグニャの際のサイ・ババの連続講話の紹介といったプログラムが、用意されるそうです。

くわしくは、こちらにて




日本にはないインドの風習・・・育児編 2 に続く




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