光の祭典・ディーワリーの由来

光の祭典ディーワリーは、日本のお盆(花火)+ 正月(親族会)+ クリスマス(街のイルミネーション)を全部足したようなお祭りで、多くの人々が大型休暇を取って帰省します。
今年は私たちも、彼の故郷、パンジャーブ州に行って、新鮮な発見が色々とあって楽しかったです♪

ディーワリー祭は、インド神話の時代を超えた様々なエピソードに起因するため、正式には、5日間続くお祭りだそうです。
そして今回は、その由来を紹介したいと思います。


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一日目:
ダンテラス (धनतेरस; dhanateras)

ディーワリーの初日は、インド国定暦カルティック月の下弦(欠けて行く期間)、13日目にあたり、この日は、富の女神・ダナラクシュミーと、死の神・ヤマを奉る日として、ダンテラス、或いは、ヤマディープダーンと呼ばれています。

その昔、占星術の予言により、ある国の王子に、「結婚4日目で他界する」というお告げが出ていました。
王子の死を回避するため、若い妃は部屋に火を灯し、金銀の財宝や金銀貨幣を部屋中に置き並べました。
そして妃は、王子が決して寝入らないよう、夜通し語り、歌を歌い続けたそうです。

そんな折、命を取りに来たヤマ神は、無数の火に照らされた金銀の、眩いばかりの輝きに視界を失い、部屋の中に入ることができませんでした。
ヤマ神は仕事を果たすどころか、一晩中、部屋の外に立って美しい声色に聞き入りました。そうして朝方、命を奪うことなどすっかり忘れて、あの世界へと帰って行ったそうです。

それから、ディーワリーの初日には、金貨や金銀製品といった金物、ステンレスなどの食器を新調する習慣が始まった他、13個のディーヤを、ヤマ神が鎮座する方角(南)向けに置いて、一晩中、火を灯すことが吉兆を呼び寄せるとも信じられています。なるほど・・・だからディーワリーには金貨のプレゼントがあったり、銀行が金貨の特別セールを行ったりするんですねー。話はそれますが、インドには、ダナ・ラクシュミー・バンク(富の女神銀行)という、とってもストレートな名前の銀行が存在します。

余談ですが、昨日インド人の婦人と話をしていると、「早く帰って家にランプを灯さなきゃ!」と言っていたので、理由を聞くと、家庭によっては、カルティック月の間は30日間ずっと、毎朝毎晩、玄関に一対の素焼きのランプ皿に火を灯すところもあるそうです。火を灯すことは、邪気を遠ざけ、「ラクシュミー女神をお迎えする」という意味も含まれています。(「素焼きのランプ皿を持ってきてあげるから、あなたも始めなさい!」と言われました...。)


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二日目:
ナラック・チャトゥルダシー (नरक चतुर्दशी, narak chaturdashee)


ディーワリーの二日目は、クリシュナ神阿修羅ナラカースラを退治して1万6千人の女性を解放した日とされています。この日は別名、小ディーワリー(Choti Deewali)とも呼ばれていて、前夜祭として控えめにディーヤを灯してお祝いをします。
ディーワリーの前には、小物売りのおじさんが、こんな感じで大量の素焼き皿を台に乗せて売りに来ます。

この日、人々は、素焼きのオイル皿にギー等の油と綿性のろうそくの芯を入れ、窓枠やベランダなどに5、7個ほど、奇数個のディーヤを灯します。
(インドでは、偶数よりも奇数の方が吉兆と信じられています。)

また、南インドでは、大きな果物をナラカースラの頭に見立ててかち割り、その上にオイルで伸ばしたクムクムをまき散らして玄関先に置いている家庭もたまに見かけます。
この玄関先のメロンとクムクムのコンビネーションは、善が悪に勝利するというシンボルであると共に、何かを新調した時(新居入居や新車購入などに対する)邪視除け(嫉妬除け)としても利用されるそうです。


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三日目:
ラクシュミー・プージャ (लक्ष्मी पूजा; lakShmee poojaa)

ディーワリー三日目は、カルティック月の新月にあたり、一番盛大に祝われる日です。人々は玄関先に素焼きのランプ皿を一列に並べて火を灯し、花火や爆竹を打ち上げて祝います。


この日は、乳海撹拌を経てラクシュミー女神が誕生した日として祝われるほか、インドの二大叙事詩マハーバーラタラーマーヤナのエピソード、そしてシヴァ神パールヴァティー女神が賭け事をしたという逸話にも由来します。


マハーバーラタでは、カウラヴァ族にサイコロの賭けに負けたパーンダヴァ兄弟が、12年ぶりに再び姿を現した日としてランプを照らして祝ったとされています。


ラーマーヤナでは、ラーマ神がビジャヤ・ダシャミーの日に悪鬼ラーヴァナを倒した後、アヨーディヤに凱旋したことを祝うものです。


戴冠式新月Amavasya)と重なったため、辺りは真っ暗でした。


そのため、人々は、ランプを灯して暗闇を照らし、ラーマ神の帰還を祝ったと言われています。


こういった理由で、ディーワリーの当日に光の列を灯して玄関先に置き、チェスなどの賭け事をして“運試し”をするのが吉兆と言われているほか、インド人の男性は、家庭の女神に宝飾品をプレゼントする慣わしがあるそうです。


そして夜には、花火&爆竹大会へと移行します。

(前から気になっていたのですが、なるほど・・・だからディーワリーセールスにはカードゲームやチェスボードが販売されているんですね・・・。)




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四日目:
ゴーヴァルダン・プージャ (गोवर्धन पूजा; govardhan poojaa)


ディーワリー四日目は、かつてクリシュナ神が、小指でゴーヴァルダナ山を持ち上げて傘代わりにし、怒りにまかせて大雨を降らせたインドラ神から牛飼いたちを守った日と言われています。

そのため、北インドでは、(聖なる)牛の糞で小高い丘を作り、花を添えて奉納する州もあります。

南インドでは、この日をバリ・パッディヤミーと呼ばれていて、ヴィシュヌ神の第五の化身、ヴァーマナが、皇帝バリを冥界に追放した日にあたります。

…ということでケーララ州では、夏頃に祝うオーナムに加えて、年に二度、バリ王にまつわるお祝い事をするそうです。


その他にも、この日は、皇帝ヴィクラーマ ディティヤが戦争に勝利し、王位に即位したことを記念して制定されたビクラム暦の新年とされているほか、グジャラーティ大陰暦の新年にもあたります。

このため、ビクラム暦を国定暦とするお隣のネパールやインドのグジャラート州では、ディーワリーの翌日を正月として祝われています。


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五日目:
バーイ・ドージ(भाई दूज; bhaaEE dooj])

最終日は、バーイ・ドージと呼ばれていて、姉妹が兄弟の長寿や健康を祈る日です。感覚的にインドでは、イトコでも兄弟姉妹にカウントされているので、親睦会のノリもあるような気がします。
お祈りのあと、姉妹は、兄弟の眉間にティラカをつけ、甘いものを手で食べさせて、花を捧げます。そして兄弟からはお返しにお小遣いやお菓子を貰うのが慣わしとなっています。
バーイ・ドージは北インドで主流のお祝いだそうで、私も今回パンジャーブ州に行って初めて、耳にしました。

よく似た習慣に、ラクシャ・バンダンがありますが、こちらの方は、姉妹が兄弟に対して、「これからも私のことを守ってね」という願いをこめて、兄弟の右手首にラーキを巻きます。一方、バーイ・ドージは、ティラカを付けて姉妹が兄弟の長寿や健康を祈ります。

様々な諸説はありますが、このお祭りの由来は、死の神ヤマ神が、吉兆の日であるドージの日に双子の姉妹、ヤミ女神に会いに行ったことにさかのぼります。
久しぶりに再会した姉妹にティラクを付けてもらい、好物の食事でもてなされて、素晴らしい歓迎を受けて満足したヤマ神は、次のように宣言しました。
「この日、姉妹にティラクを付けてもらい、食事を御馳走された男性は、地獄に落ちない」・・・、と。それをきっかけに、このバイ・ドージの習慣が始まったそうです。


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(インドのディーワリーはこんな感じ♪)



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